
“快適”の落とし穴 pitfalls of comfort
弊誌が月刊から季刊へと変更後、初めて発刊されない発売日を迎えた。然らば読者諸兄姉に向けて、オンラインによる「今月のヘイルメリー」をお届けしたい。このコラムでは、誰もが求める生活での“快適”について考察してみたい。辞書で“快適”を索くと、心身が不快を感じることなく気持ちが良い様。或いは具合が良くて心地いいこと、と記されてる。しかし趣味的人生を歩む筆者にとって、この“快適”というキーワードには少なからず注意が必要になる。基本、趣味的人生と快適は水と油の関係だからだ。趣味からは勿論、結果としての“快適”を得ることができる。が、趣味の道程には、ままならない苦労が連続している。その苦労こそが、趣味の醍醐味であり面白さなのである。理解を深めるために、筆者の趣味にスポットを当ててみよう。現在進行形で楽しんでいる趣味のジャンルは、❶ファッション❷クルマ❸家❹植物❺様々な蒐集❻トレーニング❼犬との生活❽映画鑑賞などだ。分かり易さを優先して、ここでは❷のクルマを取り上げたい。近年、自動車メーカーが打ち出す“快適”は、“ラグジュアリー”と“イージードライビング”の合わせ技だ。それは、自動車の“家電化”と“自動運転”に直結している。その方向性をきっぱり拒否しているはずだったが、いつからか自分流の“快適”を求めていることに気が付いた。ここ数年、90sの程度が良いドイツ車をチョイスしたのは、エアコンが効きパワステが付きトラブルが少ないことを前提にしていたからだろう。加えてなんとか折り合いが付く自分らしさを求めた結果、メルセデス300GEとゴルフⅡ GTIという選択になったのである。それまで乗っていた60sのアメリカ車に比べて、確かに“快適”なクルマたちだった。が、この2台は、ほとんど乗らないまま手放してしまった。“快適”を追い求めると、通勤もプライベートも電車での移動が優ってしまうのだ。クルマの快適を求めた結果、クルマを運転する機会が激減してしまったのである。それはドライビングの楽しさを、電車移動の快適さが上回っていることを裏付けていた。買い替えることが目的になってしまったクルマとの関係を、運転することが楽しくなる従来の関係に戻すべきだと判断した次第だ。次なる一台は、だからマニアック且つドライビングフィールが抜群なクルマをターゲットにしたい。次号(6月30日発売)でのお披露目に、乞う、ご期待!
